「あぁ~!!もう!!キミがいなかったら今頃学校に着いてたのかもしれないのに~!!どうしてあたしの前に現れたの~~!!」
平然とした表情で毛づくろいをしていた猫に当たり散らす。
「ハァ……」
って、猫ちゃんに会わなくたってどうせ遅刻だった。
潔く諦めよう。
心の中でそう割り切った時、ふと前を歩く男子生徒を思いだした。
彼もきっと入学式に間に合わないはず。
今日は高校生活初日だし、新しいお友達を作るチャンスかもしれない!
「あの……――ちょっと待って!!」
あたしは前を歩く彼に駆け寄って声をかけた。



