【サトコside】


「ごめん、レオ。今日いけなくなっちゃった」


『……――ハァ!?マジで……?』


あたしがそう告げると、落胆したレオの声が耳に届いた。


私は耳に当てた携帯をギュッと握りしめて、胸の痛みに耐えた。



今日は21歳のあたしの誕生日。


『サトコさんが暇なら20日飯でも食べに行こうよ~!!』


レオにそう誘われて舞い上がっていた私。


レオはその日が私の誕生日だったなんて、きっと夢にも思っていないだろう。


だけど、嬉しかった。


誕生日にレオと一緒にいられると思うだけで、幸せな気持ちになった