「ラーメン食べて何が悪いのよ。それにね、この子と私は付き合ってない。何勝手に勘違いしてるのよ。失礼なこと言わないで」


「へぇ。付き合ってないんだ。でもさ、サトコ、俺と付き合ってる時はこんな店来なかっただろ?もしよかったら、今度また俺が高級レストランでも連れて行ってあげようか?」


『俺と付き合ってる時は……――』


ハァ……くそっ。


男の言葉に胸が締め付けられる。


サトコさんは俺よりも年上だ。


元彼がいたっておかしくなんてない。


だけど、悔しかった。


目の前にいる嫌味なことを言うこの男に、自分は何一つ勝ってなどいなかったから。