すると、猫は「ニャー」とも「ニャーン」とも言えぬ不思議な声を上げた。


「あらら。喜んでるの?可愛い」


更に近づいて猫の頭を撫でようとした時、あたしの手は何かによってペシッと弾かれた。


「えぇ!?」


猫は上半身だけを下げ、唸り声をあげてあたしを威嚇している。


ウソ!!超怒ってる!?


さっきのは猫パンチだったんだ……!!


あたし、嫌われてたんだね……。


ガックリと肩を下ろしてそろそろと立ち上がり歩き出そうとした時、誰かが横を通り過ぎた。