「ねぇ、綾瀬さんなんて放っておいて、今からあたしと抜けない?」 小林さんはあたしを無視して猫なで声で海星君に話しかける。 「どこに?」 「えー、どこでもいいよ?海星君、お酒飲める?」 「まぁ」 「えー、じゃあ、一緒に呑もうよ。二人っきりで」 自分からお酒は飲めないと言っていたはずの小林さんが海星君を呑みに誘っている。 驚くあたしとは対照的に、海星君は顔色一つ変えない。 海星君の腕にはいまだに小林さんの腕が絡んでいる。