店長は常々こう言っていた。 『お客さんにちゃんと向き合ってほしい』と。 だから、このお店にノルマはない。 一着でも多く売ればお店の売り上げには貢献できるだろう。 だけど、お客さんを騙すような接客方法や他のスタッフからお客さんを奪うようなやり方は納得ができない。 「……――やめてください」 押し殺す声で言うと、小林さんがふんっと鼻で笑った。