海星君の胸に顔を埋めながらそんなことを考える。
「……――おい、ちょっとこい」
すると、海星君はあたしを自分の体から強引に引き離すとあたしの手を掴んだ。
スーッと海星君の温もりが体から消えて心細くなる。
大きくて温かい胸の中にずっといられたらいいのに……。
もしも、もしも叶うのならば……
あたしの体を抱きしめて欲しい。
あたしが抱きつくんじゃなくて……海星君から……抱きしめてくれたらいいのにな。
いつか……そんな日が来るといいのになぁ。
「レオ、お前こいつに余計なこと吹き込むんじゃねぇぞ」
「あはは、了解~!」
海星君はレオ君を睨むと、そのままあたしの手を引いて歩き出した。



