「おっ、このジャケットカッコいい」
「うん!伊織君によく似あうよ~」
「ふぅん。どの客にもそのセリフ言うんでしょ?」
「言わないよ」
あたしがそう答えると、伊織君がニッと笑った。
「こうやってバカみたいな話できるの姫子だけだ」
「うん。あたしもだよ」
「これからも、幼なじみとしてよろしくね」
伊織君はそう言うとポンッとあたしの頭を叩いた。
「今ので最後だから。姫子の頭叩くの」
「うん」
「幸せになれよ?って、心配しなくても一条君ならちゃんと姫子のこと幸せにしてくれるね」
伊織君の言葉に大きく頷く。
「伊織君も幸せになってね!!」
「当たり前。姫子よりももっともっと幸せになるから」
「負けないよ!!」
「こっちもだ」
お互いの顔を見合わせて笑い合うあたし達。
伊織君の眩しいほどの笑顔は幼い頃と全く変わっていない。
いつか、その笑顔を大好きな人だけに見せてあげてね……?
あたしは心から伊織君の幸せを願った。



