無口なカレとの甘い恋

『あいつに送って行ってもらえ。どうせ家もすぐそばだし』


『雨で濡れて気持ち悪ぃし、早く帰ろうぜ』


『じゃあな、姫子。風邪ひくなよ』


海星君はいつだってあたしの気持ちを一番に考えてくれている。


直接的な言い方じゃないから、鈍感なあたしは気付かないことがたくさんあるかもしれない。


だけどね、伝わるの。


海星君の優しさや思いやりが……――


だから、あたしは海星君のその気持ちに答えたい。


あたし、ようやく分かった。


もう迷わない。


あたしは……――海星君と歩いていく。


海星君と歩いていきたい。



「……――いらっしゃいませ!!って、あれ……瀬戸先輩じゃね?」


店に入ってきたお客さんに気付いたレオ君がポツリと漏らす。


振り返ると、視線の先にいたのは伊織君だった。