「アカネごめん、あたし全然気が付かなくて……」
申し訳なくなって謝ると、アカネはニッと笑った。
「いいのいいの。あたしもずっと黙っててごめん。ていうことで、あたしが瀬戸先輩をもらうから。いいよね?」
「あたしにダメなんて言う資格はないよ。だけど……嬉しいな。アカネが伊織君を好きだって言ってくれて」
「なによ、それ」
「あたしにとってアカネは大切な親友だし、伊織君とうまくいってくれたら嬉しいよ」
「大丈夫。きっとうまくやってみせるから。だから、姫子は心置きなく海星君の胸に飛び込んできなさいよ?」
うまくやってみせる……かぁ。
その自信が羨ましい。
だけど、アカネに言われて、ようやく気が付いた。
あたしが伊織君に抱いていたのは、同情だったのかもしれないと。
伊織君もあたしが伊織君にそういう感情を抱くと気付いていたのかもしれない。
だから、親の離婚をあたしに話そうとしなかったのかな……?
「ありがとう。アカネならきっと、伊織君とうまくやっていけるよ」
ニコッと笑うと、アカネもつられて微笑んだ。



