「それで、海星君と瀬戸先輩のことはどうするの?結局どっちを選ぶのよ」
昼休み。今までの出来事すべてを知っているアカネは机に肘を突きながら尋ねた。
その口調にはどこかトゲがある気がする。
「うん……」
「うん、じゃ分かんないって言ってんの。アンタね、スパッと決めなさいよ!!アンタが好きなのは海星君なの?それとも瀬戸先輩?」
「好きなのは……海星君。だけど、伊織君のことも放っておけないよ……」
あの時、伊織君が言っていた。
『俺、姫子無くしたら……何も無くなる……』って。
その言葉を思いだすと、胸が痛いくらいに締め付けられた。