「何で泣いてんだよ」 海星君が困ったようにあたしを見つめる。 「うぅ……っ……」 唇を噛みしめて嗚咽を堪えようとしても、我慢ができない。 わざわざあたしの為に、傘を持ってきてくれた伊織君。 あたしが海星君と楽しくラーメンを食べていた時にも、もしかしたら伊織君はあたしを想い心配してくれていたのかもしれない。 伊織君を差し置いて、あたしだけが幸せになっていいの……? 分からない。全然、分からないよ。 今、自分がどうすることが最善なのか全く分からない。 だけど、伊織君を思うと涙が溢れた。