「おい、お前いい加減にしろよ」 海星君は伊織君に歩み寄ると、襟元をグイッと掴みあげる。 「やめて、海星君!!」 あたしはすぐに海星君を追いかけて声を上げた。 「こいつに何したんだよ」 「何って……あぁ……。キスマークのこと?」 伊織君はあっけらかんと言い放つ。 「姫子に手出すんじゃねぇよ」 海星君は吐き捨てるようにそう言った。