「あぁ!!!壊れた!!!」 使い物にならなくなった傘を見て絶句する。 あたしが呆然としている間にも、雨は激しくなりあっという間に全身がびしょ濡れになる。 「もういい!!濡れて帰る!!」 もうどうにでもなれという気持ちでそう叫ぶと、隣にいた海星君が「また風邪ひくぞ」と呆れたように笑った。 「いいの。風邪ひいたらまた海星君に看病してもらうから」 「看病だけで済めばいいけどな?」 「どういう意味?」 あたしが首を傾げた瞬間、海星君があたしの唇を奪った。