無口なカレとの甘い恋


「これからは気を付けて」


ポンッと肩を叩くと店長はあたしの横を通り過ぎていく。


「店長、すみません!!これからは、綾瀬さんにもっときちんと指導していきますね!!」


慌てて店長の後を追いかけて横に並び、にこやかにそう話す小林さん。


悔しい。悔しいよ……。


あたしはうつむいたまま小刻みに肩を震わせた。


目頭がカーッと熱くなって、涙がぽろぽろと溢れる。


唇が震えて、嗚咽が漏れる。


辛い。苦しい。悲しい。


「大丈夫だって!気にすんな!!」


明るい声であたしを励ましてくれるレオ君。


「……――泣くなって」


あたしの目の下の涙を優しく指で拭ってくれる海星君。