少しでも近づきたいんだ。 海星君に。 今はまだ本当の恋人とは言えないかもしれない。 だけど、少しづつ……少しづつ距離を近づけていきたい。 本当に『好き』って思ってもらいたいから。 あたしが海星君に抱いている気持ちを、海星君にも抱いてもらえたら……きっとこんなに幸せなことはないはず。 「……――おい」 その時、頭のてっぺんに聞き覚えのある低い声が落ちてきた。 「ん?」 振り返ると、そこにいたのは海星君だった。