「……――詐欺だろ!!」 すると、何やら一人の男性客が大声で怒鳴っている。 そのお客さんを見てハッとした。 さっきチェックシャツを買って帰っていったお客さんだ……。 あたしはお客さんをなだめている小林さんのところへ駆け寄った。 「あの……――」 「さっき、ラスト一点って言ってだろ?それなのに、何で同じシャツがまた並んでるんだよ!!」 「すみません、こちらの手違いでして」 小林さんはうんざりした表情でお客さんの対応に回る。 それが伝わっているのか、お客さんのボルテージが上がる。