「どうした?あの女となんかあったのか?」 バックヤードに連れてきた海星君はあたしの顔を心配そうに覗き込んだ。 「ううん、大丈夫。ちょっと意見の食い違いが生まれただけ」 「明日からはサトコさんもいるし、今日だけの辛抱だから頑張れよ」 「うん。ありがとう」 海星君は気付いていたのかもしれない。 あたしが小林さんに目の敵にされていたことを。 あと少しだけ。あと少しだけ頑張ろう。 自分に気合を入れ直してあたしは再び店内に戻った。