無口なカレとの甘い恋


店の閉店時間である20時に近付くにつれて、お客さんもまばらになった。


あと少し頑張ろう。


自分に気合を入れ直して目の前にいるお客さんに、今できる自分なりの接客をする。


「このチェックシャツってMしかない?余裕をもって着たいから、できればLがいいんだけど」


「在庫の確認をしてきますね~!!少々お待ちください」


20代後半の男性のお客さんの要望に応える為に、レジ横のパソコンを操作して在庫の有無を確認する。


「在庫は……ないか……」


せっかく商品を気に入ってもらっても、在庫がないならば仕方がない。


取り寄せするかどうかお客さんに聞いてみよう。


レジから離れてお客さんの元へ歩みを進めると、あたしの横に小林さんがやってきた。