「新しくバイトに入ってもらった小林さん。今20歳だから、姫ちゃんよりは年上だね。サトコと同い年か。小林さんは以前、アパレル関係の仕事をしていたこともあるベテランさんだから」


サトコさん同様にスラリと長い手足。黒髪のショートカットがよく似合う小顔。


キツめの香水が鼻を刺激する。


サトコさんと年も同じだし、どちらもバリバリ仕事ができるお姉さんという感じ。


だけど、なぜだろう。


小林さんのあたしを見る目にどことなくトゲがある気がする。


「あっ……、そうなんですね。私、綾瀬姫子です。よろしくお願いします」


店長の紹介でペコリと頭を下げると、小林さんは口元に薄らと笑みを浮かべた。


「へぇ。女子高生なんてバイトに使ってるんだぁ。大丈夫なんですか?」


「姫ちゃんはいつも笑顔だし、お客さんからも評判良いんだ。小林さん、姫ちゃんが分からないことは色々教えてあげてね」


「はい。分かりました。よろしくね、綾瀬さん」


小林さんは事務的にあいさつすると、すぐにスタッフルームの方に行ってしまった。