「姫子……」 あたしの姿に気付いた伊織君は驚いたようにあたしの名前を口にした。 あたしはフッと微笑んで、伊織君の隣に腰かけた。 「姫子、こんなところで何してんの?」 「それはこっちのセリフだよ~」 「確かにそうだな」 さっきまでの出来事が嘘かのように普段通り言葉を交わすあたし達。 伊織君とあたしは目を見合わせてクスッと笑った。