「お母さん、あたし……ちょっと行ってくる!!」
「えっ?どこに?」
「伊織君のところ!!」
玄関先で靴を履きながら答える。
「そう。早く仲直りしなさいよ」
「うん。行ってきます!!」
革靴に履き替えてそのまま玄関を飛び出す。
門扉を開けて伊織君の家に視線を向けると、家の中に電気はついておらず真っ暗だった。
確認の為に伊織君の家のインターホンを鳴らしてみたものの、予想通り反応はない。
「あそこかな……」
伊織君が行きそうな場所といえば……
伊織君が行きそうな場所に検討のついたあたしはその場所へ急いだ。



