「どういう……ことなの……?伊織君のお父さんとお母さんが離婚したなんて嘘だよ!!だって、あんなに仲が良かったでしょ?」
「私にも詳しい事情は分からないの。だけどね、昨日、伊織君のお母さんがあいさつに来てくれたのよ」
「あいさつって何?どこかへ引っ越しちゃうってこと!?」
「まだ決まっていないって言ってたけど、いずれはそうなるかもしれないって言っていたわ」
「え……?じゃあ、伊織君はどうするの?学校は?」
「私もそこまで聞けなかったのよ。伊織君のお母さん、とても辛そうだったから。精神的に追い込まれていて今は家のことができないからって、お母さんだけ実家でお世話になっているみたい。伊織君は学校があるからって、今は一人で住んでいるのよ」
「そんな……。そんなこと伊織君あたしに一言も……」
「お母さんも言われていたのよ。姫子には言わないようにって……伊織君に。だけど、今日姫子に言うって伊織君が言っていたからてっきり話したのかと思ってたの」
「嘘……」
お母さんの言葉に、息が詰まる。



