無口なカレとの甘い恋


混乱する頭を冷やそうと、階段を下りてリビングに向かう。


すると、お母さんがリビングのソファで頭を抱えていた。


「どうしたの?具合でも悪いの?」


あたしの問いかけにお母さんは顔を持ち上げ首を横に振った。


「ううん、大丈夫。それより、さっき伊織君と何かあったの?」


「え……?なんで?」


「伊織君が、『姫子に、ごめんって謝っておいてください』って言ってたから」


「伊織君が……?」


「そうよ。伊織君、今色々あるんだから少しは気をつかってあげなさいよ?」


さとすように言うお母さんに思わず首を傾げる。