「手に入らないなら、力ずくでも奪うから」 伊織君は決意したように言うと、あたしの首筋に顔を埋めた。 「やだ!伊織君、くすぐったい!!」 笑ってごまかせばこの場は収まるかもしれない。 必死で作り笑顔を浮かべて切り抜けようとしたものの、伊織君には届かない。 伊織君の舌が首筋を這う。 「っ……」 ピリッと首筋にわずかな痛みが走る。 怖い……。怖いよ、伊織君……。 こんなのあたしが知ってる伊織君じゃない……――。