「おい、姫子。そういうこと、他の男に言うんじゃねぇぞ?」
「他の男?」
「あぁ。特にお前の幼なじみの瀬戸伊織」
「伊織……君?」
伊織君の名前が出た途端、胸がざわついた。
伊織君に『好き』と言われてから学校を休んでいた2日間、伊織君は毎日我が家へやってきた。
『伊織君……毎日お見舞いにこなくて大丈夫だよ?もう子供じゃないから』
部屋へやってきては、持ってきた果物やアイスを食べさせようとする伊織君。
『何で?俺、来ちゃダメ?お見舞いに来ることもダメなわけ?』
『ダメっていうか……』
『じゃあ、いいよね?悪い事してるわけでもなく、ただのお見舞いだし』
やんわりと断っても、口のうまい伊織君にのらりくらりと交わされてしまう。
結局、2日間伊織君はあたしの部屋に通い続けた。



