「で、さっきは何で逃げたんだよ?」 部屋に入るなり、海星君に問いただされる。 「んー……逃げたというか……まぁ、逃げたんだよねぇ……」 「何だよ、それ。意味わかんねぇな」 呆れたように笑う海星君。 あぁ、海星君が笑った!! それだけで、胸がキューっと締め付けられる。 「まぁまぁ。そんなに大したことじゃないから気にしないで?」 あははっと笑って流すと、海星君はそれ以上その話には触れなかった。