あたしは意を決してインターホンを押した。 ピーンポーンっという独特の音。 その音にハッとした。 ダメだ。足が震える。 何故か取り返しのつかないことをしたような気持ち。 海星君との幸せがするりと手のひらからこぼれ落ちてしまいそう。 急に怖くなったあたしは、門扉のそばに買ってきたスーパーの袋を置いて駆け出した。