「姫ちゃんを兄貴が車で連れて帰るって言ってたんだけど、海星が『いや、俺が連れて帰ります』とか言ってさぁ~。きっと、兄貴にも姫ちゃんの体を触らせたくなかったんだろうね~。いやいやマジ、愛のパワーだわ……――って、そうだ!!」
レオ君はケラケラと楽しそうに笑ったあと、ハッと何かを思いだしたようだ。
「大事なこと言い忘れてた~。さっき海星に電話したら今日学校休むって。何かあいつ、風邪ひいたみたいよ」
「えっ……風邪!?」
「そうそう。今頃、苦しんでいるに違いない。姫ちゃんが時間あったら、海星んちいってあげてよ」
「分かった。教えてくれてありがとう!!」
「うんうん。海星をよろしくな~」
レオ君はあたしの肩をポンッと叩いて微笑んだ。



