柔らかくて温かい海星君の唇。
ふわっと匂う甘い香水の匂い。
触れていなくてもかすかに感じる、海星君の体温。
「今日からお前は俺の女だ」
顔を離してニッと意地悪な笑みを浮かべる海星君の表情に胸がきゅーーんっと高鳴る。
これ、本当に幻聴なんかじゃないの!?
「あたし……これからは正式に海星君の彼女って名乗っていいの?」
「あぁ。そうすれば、言い寄ってくる奴も少しは減るかもな」
「あたしに言い寄ってくる人なんていないよ」
「バーカ。今日いただろ?」
「あぁ、そうだった!!」
へへっと笑うと、海星君はあたしのおでこに手を伸ばした。



