「まだ寝てろよ。またぶっ倒れんぞ」


海星君は呆れたように言うと、あたしの肩を支えながらベッドに横になるのを手伝ってくれた。


その時、布団からふわっと漂った甘い香り。


それは、あたしの大好きな海星君の匂いだった。


っていうことは、ま、まさか……。


ここって……海星君の部屋!?


その時、ようやく少し前の出来事を思いだした。


お店から海星君の部屋にたどり着くまでの記憶が一切ない。



「もしかして……あたし……」


「ぶっ倒れるまで我慢すんじゃねぇよ」


海星君はあたしの言葉を遮るようにそう言うと、ハァとため息を吐いた。