「海星君、ごめん。何か色々迷惑かけちゃって」


「別に迷惑なんてかけられてねぇよ。つーか……――」


ぺこっと頭を下げて謝ると海星君は眉間にしわを寄せた。


「あの客、前からお前に付きまとってただろ?ああいう客が来たらすぐに俺に言えよ」


「え……?」


「お前、へらへら笑ってばっかりでうまく断れねぇだろ?」


「分かってたんだ……?」


「当たり前だろ。お前狙いの客だって来るし」


「あたし狙い……?」


首を傾げると海星君の眉間のしわがさらに深くなる。