「『そのブレスレットオシャレですね~!手作りですか?』ってカマかけて聞いてみたら、自分で作ったとか自慢げに言い出してさ。笑っちゃったよ。あっ、ちなみにサーフィンの大会で優勝したって言うのも嘘だよ」


「どうして知ってるんですか?」


「俺もサーフィンするから色々尋ねたら何にも知らないの。うちの店じゃないところではキックボクシングの大会で優勝したって言ってるらしいから。あのお客さん、このあたりでは結構有名なの。出入り禁止にしてる店もあるぐらいだから」


「そうだったんですね……」


「だから、姫ちゃんは何も気にしなくていいんだよ」


「……はい」


「海星、ありがとな~」


店長はニコッと笑いかけ、隣にいた海星君の肩をポンッと叩くとお客さんの元へ戻って行った。