「試着した服どうします?色違いも試着しますか?」
「お、お前!!俺が何で怒ってるのか分かってんのか!?」
「あぁ、サイズ変えます?」
「話を聞け!!」
怒鳴ったお客さんを前にハァと一度ため息を吐くと、海星君はキッと鋭い視線をお客さんに投げかけた。
そして、押し殺すような低い声でこういった。
「勘違いしてんじゃねぇぞ。ここはキャバクラじゃねぇんだよ。女口説こうとすんなら違う店に行け」
「くっ……」
海星君のあまりの迫力にお客さんはグッと奥歯を噛んだまま黙り込んだ。
それをみて、
「お客様、お帰りです」
すかさず海星君が声を上げた。



