「アンタほどわかりやすい子も珍しいわ」 サトコさんに呆れられながらもあたしはへへっとだらしない笑みを浮かべた。 「とにかく、ちゃんと仕事しなかったら許さないわよ」 「はい!!ビシバシ、しごいてください!」 ビシバシ、しごいて。 この時、どうしてあんな言葉をサトコさんの前で口にしてしまったんだろう……。 そう後悔するのは、バイトが始まったすぐのことだった。