「冷やかしって思われてるかな?」
「そんなことないよ!!」
力強く否定する。
「自分でもこのお店にいるのが場違いだって分かってたんだけど、彼氏がこのお店が好きなの。前に一緒に来たときにこのネックレスをカッコいいって言ってて。だから、どうしても買ってあげたかったんだ」
「その気持ちわかるよ。あたしもこのお店を見た時、すっごいオシャレすぎて入るのに勇気がいったもん」
「本当に?」
「本当だよ。それに、あたしもお客さんみたいなものだから」
ふふっと笑うと、女の子もつられて笑ってくれた。
よかった。少しづつ緊張がほぐれている。
「店長さんに一度相談してみようか?」
あたしだけじゃ解決できそうにない。
だけど、きっとお客さんのことを一番に考えている店長なら何とかしてくれるはずだ。
あたしの言葉に女の子は大きく頷いた。



