その時、ハッと店長が目を輝かせた。
「そうだ。ちょっと、姫ちゃん行ってきてよ」
「……へ?」
「あの子も姫ちゃんも同じ高校生でしょ?やっぱり、同性の方が話しやすいでしょ?それにほら、姫ちゃんって人当り良さそうだし。人類みな兄弟みたいな?」
「いや、それはちょっと違うような……。だけど、あたし接客なんてしたことないし、きっとうまくいかな……――」
「いいから、ほら。頼んだよ!!」
「で、でも……」
強引な店長に背中を押されて困惑しながらレオ君に助けを求める。
「頼んだぞ~、姫ちゃん」
だけど、あたしのそんな思いとは裏腹にレオ君は満面の笑みで手を振った。



