「店も安定してきてこれからもっと軌道に乗せようってことで若者代表としてレオの友達の海星をバイトに引っ張ったんだ。だけど、あいつには少し問題があって」
「問題?」
「あいつ、顔がいいだろ?だから、店が終わるまで外で待ったり店の中で写メ撮ったりやりたい放題の客も出てきてさ。海星は男性客からの人気もあるから困ってるんだよ」
海星君はやっぱり、学校外でも大人気なんだね……。
嬉しい反面、ちょっぴり複雑な気持ちになる。
海星君を狙う女の子の多さに、気後れしてしまいそう。
「海星が店で着てた洋服が飛ぶように売れて完売したこともあるんだ。あいつってどんな洋服着ても絵になるし。接客も無理強いしたりしないしね」
海星君、頑張ってるんだなぁ。
ほっこりと温かい気持ちになっているとき、一人のお客さんが店にやってきた。



