ふわっと温かい何かに包み込まれる感覚。
鼻に届いた甘い香水の匂いに頭がしびれる。
海星君はあたしをギュッと抱きしめる。
あたし……海星君の胸の中にいるんだ……。
そう実感した途端、トクントクンっと心臓の音が大きくなる。
「ごめんな。俺がレオにもう少しキツく言ってここへ来るのを止めさせれば、サトコさんに怒られずに済んだだろ?」
「海星君が謝ることじゃないよ。悪いのはあたしだから」
海星君に抱きしめられていることが信じられない。
「それに、ほら。サトコさんには怒られちゃったけど、そのおかげで今海星君にむぎゅーってしてもらえてるし……ラッキーかも?」
「バーカ」
ふふっと笑いながら不謹慎なことを言うあたしにつられて海星君がふっと笑った気がした。



