「姫子、レオに騙されんなよ。こいつもキックボクシングやってるし」


レオ君の答えにどう答えたらいいのか悩んでいるあたしに海星君から助け舟が入る。


「え!?レオ君もキックボクシングやってるの?」


「確かにやってるけど、俺は弱いもん。痛いの嫌いだし~。つーか、マジで時間ヤバくね?」


ヘラヘラと笑っていたレオ君の表情が一瞬真顔になる。


「だから、さっきも言っただろ。バカ」


「ハァ~?バカっていうほうがバカだからな」


「勝手に言ってろ」


「っていうか、姫ちゃんもいくよね?」


「どこに?」


「俺らのバイト先!!」


「えぇ!?」


「ってことで、決定~~!!」


レオ君はニコッと笑いながら半ば強制的にあたしを引っ張って行った。