すると、彼がピタリとその場に立ち止った。 「お前、何なの?」 その顔にはあたしへの嫌悪感が刻まれていた。 「何って?なに?」 「さっきから何ブツブツ独り言言ってんだよ。気持ち悪ぃな」 「えっ!?嘘、声に出てた!?」 「さっき猫にもしゃべりかけてただろ」 「えっ!?いや、あの……それは……」 「つーか、お前も城川なのかよ」 「うん!綾瀬姫子っていいます。よろしくね」 ニコッと笑いかけると、彼は「あぁ」と心底嫌そうに返事をした。