「そ、それと手にキスすんの 関係ないでしょ!」 私がタクトを警戒していると、 いたずらっぽく目を細めた。 「分かってくれないみたいだったから、 行動で示してみた」 「はぁ?」 タクトはとん、と人差し指で 軽く私の耳をつついた。 「聴覚…… つまり、耳から入ってきた情報を 優先する人って、少ないんだよ」