お母さんは無理なパートをやめて、 今はお昼の数時間だけ働いている。 私が心配で、様子を見ておきたいのもあるんだろうけど。 「着替えてきなさい」 「はーい」 やっぱりこうやって家でお母さんの 料理している姿を見ていると、安心する。 そしてふと、拓斗はどんな生活をおくっているのか 考えた。 私は部屋に入って着替えてからも、 拓斗の悲しそうな表情が頭を離れなかった。 拓斗は病院で毎日過ごしてるの? ――本当に死んじゃうの?