休み時間かっこいい先輩を見に行ったり、 志乃がバレー部で活躍しているのを見学に行ったり、 放課後友達と一緒に買い食いしたり。 前はあんなに嫌だった授業を受けることさえ、 今の私には楽しくて仕方なかった。 普通に日常を過ごせることが、 こんなに幸せだと思わなかった。 環境を変えただけで、 まるで明河泉で過ごしていた日々は 夢だったんじゃないかと思うくらいに、 私は楽しい毎日を過ごしていた。 毎日、満ち足りていると思った。 ――彼に会えないことだけを、除いては。