明るいエレベーターから降り、 暗い階段をよろよろとのぼっていく。 重いドアをぎぃっ、と開く。 屋上に出ると、 ひゅっと冷たい風が足をかすめていった。 空には大きな月がのぼっていた。 だけど今日の月は何だか少し赤い色で、 不吉な感じがした。 私は昨日のことを思い出して、 無性に泣きたくなった。