怒らせちゃったのかな。 そう思って、見上げると。 タクトは顔を手の甲で隠し、 そっぽを向いた。 「いや、嫌とかそういうんじゃなくてさ。 ……恥ずかしくなってきた」 「え?」 そう言われると、 こっちまで恥ずかしいような気がする。 「我慢してるんだよ、俺だって一応」 それからぺしっ、と私の額を叩いた。 「いたっ」 「もうちょっと考えろ!」 「……はい」