タクトは望遠鏡を取り出し、 足を立てている。 私はわくわくしながら空を見上げた。 「うわぁ……」 望遠鏡を使わなくても、 空には星がきらきら輝いていた。 「こんな小さな山でも、 のぼるとやっぱり違うもんだね」 「近くに何もないから、 気持ちいいよな」 それからタクトは得意そうに望遠鏡を指さした。 「ほら、使ってみろよ。 さらによく見えるぜ」