「それってこの近くにある?」 「そうそう、市立の」 その場所なら、私も遠足で行ったことがあった。 「あそこ、大きな望遠鏡もあるよね」 タクトが元気よく返事をした。 「そう! 俺、あそこで流星群眺めたことがあるんだ」 「え、すごい!」 タクトがこんなに楽しそうに話すのが 珍しくて、つい彼の顔をじっと見つめてしまう。 「その時感動したんだよな。 星すげぇ、宇宙すげぇみたいな」 「あー、でも分かる気がする」