隣を見ると、タクトはわくわくしたように 瞳を輝かせていた。 「そう。 小さい頃って、 なんかムダにいっぱいなりたいものなかった?」 そう言われて考えると。 「……たしかに、あったかも。 いっぱいなりたいもの」 昔幼稚園に通っていた時、 将来の夢を書いた色紙のことを思い出した。 「そういえば、色々考えてたな。 昔は私、ケーキ屋さんになりたかった」 「へぇ、女の子らしいじゃん」