じめじめした雨の季節が終わって カラッとした夏になれば、 私の気分も少しは明るくなるかもしれない。 泳ぐのは、嫌いじゃなかった。 スイミングに通ってる子みたいに 何百メートルもは泳げなかったけど。 クロールのフォームはきれいだって 褒められたことがある。 まだ少し頼りない太陽の光を見上げる。 ……久しぶりに、泳ぎたいな。 そんなことを考えていると、 隣に座ったタクトの声が聞こえた。 「瑞希って、なりたいものとかないの?」